時価会計の一部凍結(10月17日、日経新聞)
・ 日本でも金融商品の時価会計を一部凍結する検討が始まったことを銀行業界はおおむね歓迎している。
・ 証券化商品や債券など市場の混乱が経営に与える悪影響を軽減できるためだ。一方、企業会計の専門家などからは「金融機関が抱える金融商品の損失が見えにくくなり、情報開示の流れに逆行する」との批判も出ている。
・ 金融商品の評価損が膨らんで自己資本が傷めば、貸し出しなどのリスク資産を圧縮せざるを得ない――。日経平均株価が急落した今月上旬、多くの銀行は緊急会議を開いて今後の対応策を話し合った。
・ 中川昭一財務・金融担当相は17日の閣議後の記者会見で、金融機関や企業が保有する金融商品を時価で評価する時価会計の適用の見直し時期について「9月期決算から(の適用)は間に合わないだろうが、早急に結論を出してほしい」と語った。金融庁が検討している地域金融機関などを対象にした金融機能強化法改正案に関しては「与党や野党といったことに関係なく、いい案があれば政治決断でいいものを作っていきたい」と述べた。
・ 日本が米欧と歩調を合わせて時価会計の適用を一部凍結するのは、地域経済の信用収縮に歯止めをかける狙いがある。
・ 市場の混乱の直撃を受けている地域金融機関の財務の悪化を食い止めることで、中小企業金融の円滑化を図る。
・ 凍結は一方で企業財務に不透明さが増し、株が売られる可能性もある「劇薬」でもある。今年度の決算に間に合わせることができるか、一部凍結の適用時期が焦点になりそうだ。
・ 時価会計は金融分野で日本が欧米並みに整備してきた数少ない分野。日本でも国際会計基準導入の地ならしが進みつつあったところに、欧米が凍結への逆行を始めた。
・ 金融庁は当初「逆行する改革はしない」と冷淡な姿勢だった。
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